飲食店の開業を目指すミャンマー出身の外国人技能実習生、サンダー・ミィッさん(26)は先月から、訪日客の利用が多い白老町白老の焼き肉専門店「天野ファミリーファーム」で接客業務を担っている。インターネットで求人を見つけ、自ら応募した。明るい笑顔と流ちょうな英語で訪日客をもてなしている。
ミィッさんは首都ヤンゴンから北東約80キロの都市バゴー出身。2023年にバゴー大学英語学科を卒業し、「いつか自分のレストランを開く」という夢を胸に同年12月に来日。和歌山市の焼き肉店でキッチンを担当し、その中で「接客も学びたい」との思いが強まり、5月25日から同店で働き始めた。
「日本は清潔で治安がよく、四季がある。働くことを大切にする文化があり、学びたいことがたくさんある」と日本への憧れを語る。現在、日本語に不慣れな訪日客に英語で対応する一方、日本語での日常会話もこなす。日本語能力試験N2の資格を持つ語学力が強みだ。
同店は、海外のウェブ誌で3年連続最優秀賞を受賞するなど評価も高く、多くの訪日客が訪れる。「今後も多言語対応を進めたい」と語る天野勝人代表(38)は「外国人労働者は夢を持って一生懸命働く人が多い印象。これからも大いに力を発揮してほしい」と期待を寄せる。
「白老は静かで落ち着いた町。好きな仕事ができて幸せ」と異国での挑戦に笑顔を見せるミィッさん。秋には同じミャンマー出身の実習生が新たに加わる予定で、先輩としての役割も担うことになりそう。「まだ雪を見たことがないから、北海道の冬が楽しみ」と心待ちにしている。