松葉のパネル750枚制作 町民500人協力 白老文化観光推進実行委 大阪万博 能楽の舞台を彩る装飾に

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  • 2025年6月12日
500人以上の町民が手掛けた松葉型のパネル
500人以上の町民が手掛けた松葉型のパネル
松葉型のパネルに自由に絵を描く白老さくら幼稚園の園児(提供)
松葉型のパネルに自由に絵を描く白老さくら幼稚園の園児(提供)

 白老町で毎秋開かれる芸術祭「白老文化芸術共創 ルーツ&アーツしらおい」を主催する白老文化観光推進実行委員会(熊谷威二会長)は10日、町内14団体500人以上の町民が制作した松葉の形のパネル計750枚を大阪市中央区の山本能楽堂へ発送した。18日に大阪・関西万博会場のメインホール「シャインハット」で開かれる能楽の舞台を彩る装飾になるという。

 落葉せず、一年中緑の色を変えない松には神様が宿るとされ、神様にささげる芸能の能舞台には老松が描かれてきた。山本能楽堂は万博で披露する、いのちの能「水の輪」の舞台に、全国1万人の子どもらから松葉を集めて「生命の老松」として飾るプロジェクトを企画し、日本各地の団体が賛同、協力している。

 白老町では実行委の呼び掛けに応じた保育園や幼稚園、児童クラブ、老人クラブ、美術団体など14団体が制作に参加。松葉型のパネルに好きなものや大切なもの、夢や祈りを込めたメッセージ、幾何学模様などを自由に描き込んだ。町民に親しまれているポロト湖や樽前山などを描いた人もいる。

 町日の出町の白老さくら幼稚園の菅井麻乃園長は、「楽しく描いた思い出と絵が、遠く大阪の能舞台で使われることを知って、世界への興味を広げるきっかけになった」と話す。大量のパネルは10日、しらおい経済センターに集められた後、大阪へ発送した。

 熊谷会長は「町民の皆さんの作品が世界に発信され、芸術の力で白老の魅力を伝えられることを誇りに思う。山本能楽堂の皆さんには、4月の文化観光フォーラム以来のご縁があり、ささやかな恩返しになれば」と話した。

 「生命の老松」は、病院で過ごす人の心を和らげるホスピタルアート運動が始まりで、シャインハットで使用された後は9月18日、イタリア館のイベントスペースでのホスピタルアート展示にも活用されるという。

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