世界三大自動車レースの一つ、ルマン24時間はフランス・ルマンのサルテ・サーキットで14~15日に決勝が行われる。世界耐久選手権(WEC)第4戦を兼ねた一戦。トヨタは小林可夢偉らの7号車、平川亮らの8号車で3年ぶりのルマン制覇を目指す。今季はWECで苦戦しているが、チーム代表の小林は「今年こそ絶対に勝利を目指す」と誓う。
トヨタは2018年に念願の初制覇を果たし、同年から5連覇を達成。しかし、21年にWECの車両規格が変更されたのをきっかけにフェラーリ、ポルシェ、BMWなどのメーカーが復帰すると勝利が遠のいた。戦力差を縮めレースを盛り上げることを目的に、最低重量や最高出力がメーカーごとに増減される性能調整も響いた。
今年のWECはフェラーリが3戦全勝と力は抜きんでており、ルマンでもトヨタの強敵となる。GR010ハイブリッドで臨むトヨタは今季表彰台に上がれていないが、第3戦では8号車が15番手発進から4位に入るなど復調傾向。開幕からルマンに照準を合わせてきた面もあり、平川は「準備万端」と自信を示す。
今年はトヨタにとって、ルマン参戦40周年の節目。これを記念し、ファンの人気が高い1998、99年の車両をイメージした赤いカラーリングを7号車に施した。チーム関係者は「(優勝に迫った)当時の車両で勝てたら意味がある。現場には、昨年以上に取るぞという雰囲気がある」と言葉に力を込めた。