むかわ町は10日、台湾の台南市左鎮区と友好交流協定を締結した。町役場と台湾をオンラインでつないで同日、調印式が行われ、竹中喜之町長と余基吉区長が協定書に署名した。両地区とも化石が発掘され、1次産業が盛んなど共通項が多く、経済や教育、防災などの分野で友好の絆を深めていくことを誓った。
協定は▽相互理解と協力関係を深めるよう努める▽古生物化石や特産品をはじめとした地域資源の活用により新たな価値を創出する▽青少年交流を促進し、次世代の相互理解を深める―など6項目。
調印式で竹中町長は「カムイサウルス・ジャポニクス(通称むかわ竜)などが縁となり、左鎮区と協定を締結できた。互いの理解が深まることを願う」と語り、余区長は「左鎮区は多彩な農産物が生産され、動物化石が発見される地域。青少年交流の推進など相互理解を深めることを目指したい」と述べた。
オンラインで調印を見届けた台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表は「今後の日台関係がさらに深まり、人と人との往来がより活発になることを願っている」と期待を込めた。
左鎮区は台南市南東部に位置し、人口は4100人(2月末時点)。マンゴーやタケノコ、長芋、バナナの産地で、マンモスやステゴドンなどの化石が発掘される「台南左鎮化石園区」がある。海外自治体との協定締結は初めて。
むかわ町は2019年11月にリトアニアのアクメネ地域市と協力に関する意向表明を締結しており、海外の自治体との協定は2カ所目。同代表処札幌分処の粘信士分処長から左鎮区の紹介を受け、協議を進めていた。同札幌分処によると、東胆振と台湾の自治体の協定締結は白老町、安平町に続いて3カ所目という。
粘分処長は「台湾と道内の自治体協定は20カ所目。自治体同士の広域連携により人が往来すれば、地域の発展につながる」と歓迎した。