「穏やかな表情」で接して 認知症の人と家族などの会 初の夜間認知症学習会

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  • 2025年6月13日
初の夜間学習会に臨む参加者

 白老町認知症の人と家族などの会(吉良哲子会長)は9日、町総合保健福祉センターで初めて夜間学習会を開き、町民ら19人が参加した。「昼間は仕事や介護で参加できない」と夜の開催を望む声に応えた。参加者は認知症に関する2本のビデオを視聴し、学びを深めた。

 1本目は脳科学の研究成果を基に、認知症の人に対して怒りや指摘ではなく、「穏やかな表情」で接することの効果を伝える内容。怒った表情は記憶に残りやすく、症状悪化の一因となるとされ、接し方を変えたことで妄想や興奮状態が改善した事例が紹介された。2本目は島根県出雲市のデイケア施設「小山のおうち」の実践を描いた作品で、重度認知症の人々と共に「穏やかに暮らす」取り組みが描かれた。

 参加した町萩野の介護支援専門員、伊林ゆかさん(44)は「優しく接しているつもりでも、表情や話し掛けるタイミングによっては相手に不安を与えているのかもしれない」と振り返り、「表情の持つ影響力を改めて考えさせられた。職場でも接遇の在り方を共有したい」と語った。

 初の夜間開催について、事務局の庭山了さん(61)は「アンケートを実施し、好評なら定期的な開催も視野に入れたい」と話した。

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