「おにぎり88カフェ」オープン 上野の米農家 田中稔さん(67) 米、自家製野菜も販売

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  • 2025年6月17日
店の外で野菜の販売なども行われた
店の外で野菜の販売なども行われた
大勢の人でにぎわう「おにぎり88(コメ)カフェ」の店内
=14日
大勢の人でにぎわう「おにぎり88(コメ)カフェ」の店内 =14日

 厚真町上野で14日、「おにぎり88(コメ)カフェ」が開店した。町上野の農業者で同店の代表、田中稔さん(67)が、自身の生産したコメを使用したおにぎりをはじめ、精米した米、自家製野菜などを販売する。初日から地域住民を中心に大勢の客が訪れ、店内はにぎわった。

 田中さんは、厚真町で100年以上続く米農家の四代目。22歳で家業を継ぎ、現在、13ヘクタールの田んぼで「ゆめぴりか」「ななつぼし」を生産する。おにぎりの店は、東胆振の米どころ、厚真の米の味を多くの人に知ってもらい、自身の孫など子どもが楽しめる場所をつくろうと、2年ほど前から開設準備を進めていた。

 漢字で「米」を八十八と書くことから「88」でコメカフェ。道道豊川遠浅停車場線と道道厚真浜厚真停車場線の交差点付近にあり、鉄骨造り平屋建て。知り合いの支援を受けながら、約1年かけて手造りで建てた。階段や扉などは田中さんが自作したという。

 提供するおにぎりの米には、ゆめぴりかを使用する。具材は、梅(250円)や鮭(350円)といった定番から、自家製のしそ(300円)やみそ南蛮(250円)などを用意。注文を受けた後、妻の清美さん(66)が握り、店内で温かいうちに頬張ることも、テークアウトで味わうこともできる。

 日替わりランチ(1250円)やコーヒー(450円)などもそろえ、精米した米はゆめぴりか(5キロ)を3000円で数量限定販売とした。

 初日は開店直後から、地域住民や町外の顧客らが続々と訪れ、おにぎりや米を注文した。札幌市から訪れた会社員、山下るみさん(55)は「お米が札幌で買うより安く、また来たい」と笑顔を見せた。

 店舗前のベランダでは、子どもたちが順番に並び、きねを持って臼に入った餅をつき、店のオープンを祝った。田中さんは「食べてもらい、『おいしかった』と言われるような店にしたい」と笑顔で話した。

 営業時間は午前11時~午後6時(オーダーストップ同5時30分)。定休日は月曜日と火曜日(春と秋の農業繁忙期は不定休)。

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