絵本と音楽に親しむ みみの館

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  • 2025年6月19日

 白老町大町の私設文庫「みみの館」は14日、読み聞かせと演奏の催し「絵本と音楽の世界」を開き、町内外から約50人が訪れた。館長の松嶋珪子さん(86)が絵本「ぽよよんのはら」などを読み聞かせ、東京在住のソプラノ歌手小倉真理子さんとピアニスト河野幸恵さん、室蘭市のピアニスト井口陽子さんが童謡やクラシックを披露した。

 しらおい防災マスター会事務局長の民部吉治さん(81)は「津波てんでんこのうた」を紹介。小倉さんが情感豊かに歌い上げ、来場者の胸を打った。「てんでんこ」は三陸地方の方言で「ばらばらに逃げる」を意味し、津波発生時は個々の判断で高台に避難するよう勧める知恵。

 千島海溝沿いでの巨大地震モデルに基づき、最大級の津波が発生した場合、白老には約39分後に津波が到達する想定がある。民部さんは「みんなで助かるために各自で逃げる。それが『てんでんこ』の知恵」と語り、「(知恵を分かち合う)きょうのような場が命を守る力になる」と訴えた。

 「みみの館」は約2000冊の絵本や児童書を所蔵し、隔週土曜の午後1時から無料開放。来館者の希望に応じ、絵本の読み聞かせも行っている。

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