白老町大町の俳人相吉京子さん(84)=俳号・香湖(きょうこ)=が詠んだ一句が、8日に釧路市内で開かれた第34回北海道現代俳句大会(北海道地区現代俳句協会連合会主催)で、5位相当の中北海道現代俳句協会賞に選ばれた。受賞句は「かたつむり登りきったら鳥になれ」。相吉さんは「しみじみとうれしい」と喜びをかみしめている。 同大会には、全道の57人から計546句が寄せられた。審査は、都合により選句を辞退した2人を除く55人が、自作以外の作品から「特選」として3句、「並句(なみく)」として秀作17句を選ぶ互選形式。1~3位と東北海道現代俳句協会賞(4位)、中北海道現代俳句協会賞を選んだ。 4位の賞の名称は4ブロックで成る同俳句協会連合会の中で東北海道協会が同大会を主管したこと、5位は石狩・空知、後志管内を管轄とする中北海道協会に俳人が多いことによる。1位は札幌市の石井美髯(びぜん)さんの「早春を食べる分だけ採りに行く」で、7人の特選、17人の並句に選ばれた。 相吉さんは日胆地域をはじめ渡島・桧山管内を区域とする「南」に所属し、同大会では白老町から唯一の投稿者。6句を寄せ、受賞句は2人が特選、14人が並句と評価した。受賞について「こつこつと(句作を)続けてきたことを、カタツムリの姿に重ねた作品が認められた」と笑みを浮かべた。 相吉さんの句は写生を基盤としながら心象を詩的にすくい上げ、ユーモアたっぷりに表現する作風。代表句に「川の底小石美(うる)わし鮭の道」などがあり、受賞句も暮らしの中で日常的に見る小さな生き物の営みに共感と希望を重ねた構成が注目を集めた。
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