第73回全国高校アイスホッケー競技選手権大会決勝が23日、テクノルアイスパーク八戸=青森県八戸市=で行われ、駒大苫小牧がゲームウイニングショット(GWS)にもつれ込む大激闘の末に6―5で武修館を破り大会3連覇、34度目の日本一に輝いた。【八戸市、石川優介】
大会は20日に開幕。全国から25チームが出場し、競技4日間で白熱したトーナメントを繰り広げた。
▽決勝
駒大苫小牧6―5武 修 館
▽得点者【駒】城野(三浦、小野寺)三浦、中谷(柳田、高嶋)柳田(山脇)高嶋(城野、三浦)三浦【武】伊藤周(北原、関)田中(鈴木、外久保)石川(田中、石井)外久保(石川、田中)田中(石川)▽GK【駒】工藤【武】和田
駒大苫小牧は2点を追う第3ピリオドにFW陣が奮起。柳田のゴールで1点差に迫ると、高嶋が強烈なシュートで同点弾。延長戦でも決着はつかず、最後はGWSでFW三浦がウイニングゴールを決めて3連覇。
―世代超え、一体感でつかんだ栄冠
上級生がつくり上げた一体感。プレーの数々の場面で活躍した副主将のFW大久保、寺内は「下級生にも救われてきた。先輩たちがつないでくれた連覇を、自分たちも来季につなげることができて良かった」と話した。
伸び伸びと下級生が活躍できたのも3年生が生み出したチームの特色―とスタッフ陣は口をそろえる。城野主将は「良くも悪くも、学年関係なく寄り添えるチームをつくってきた。つらい練習も自分たちから進んで取り組んできた。全員の力でつかんだ優勝」と目を細めた。
5失点も武修館の猛攻を好セーブを連発して防いだGK工藤。「相手の流れにのまれそうな時に、得点を決めてくれた仲間の存在が大きかった」と語った。
この日GWSの決勝打を含め2得点のFW三浦。上級生に「先輩たちが導いてくれてここまでこれた」と感謝し「来季は4連覇が懸かる。この優勝の経験を生かして必ず達成したい」と誓った。
―「チームの成長」笑顔で頂点へ
駒大苫が粘り強いプレーを見せて日本一に輝いた。3連覇が懸かる今大会、大きなプレッシャーを感じながらもFW城野主将は「連覇を果たすことがこんなに難しいのかというくらい大変だったが、勝つことができてほっとしている」と笑顔を見せた。
試合後、鈴木総監督は「最後までチャレンジャーの気持ちで臨んでいた。チームが一体感を持って自分たちのホッケーをこなした結果」と選手らをたたえた。劣勢が続いた第3ピリオドを迎えるに当たり「空気感が重いから変えよう」と桶谷監督に伝えると、一選手のように「やってやるぞ!」と雄叫びを上げた桶谷監督は「選手が前を向けるように―それが良い形で伝わってくれた。一人一人がよく戦い、粘った結果、最終的に勝利を生んだ」と振り返った。
日本一までの道のりは険しいスタートから。昨年7月に行った十勝遠征では武修館、白樺学園、清水と試合を消化し全敗だった。立て直しへの厳しいトレーニングに弱音ひとつ吐かず、率先して練習を重ねてきた選手たち。「スタート時は決して強いチームじゃなかったが、3年生を中心によくここまで成長した」とチーム一丸でつかんだ栄冠を喜んだ。