苫小牧のトヨタシグナスが女子アイスホッケーのトーナメント、道新杯争奪全道大会(10日まで、帯広市)で3年連続5度目の優勝を果たした。道内勢だけの戦いとして今季2度目の大会を制し、勢いを今後につなげる構えだ。
1回戦で釧路ベアーズを3―0で下し、準決勝では高須クリニックを3―1でかわした。決勝は9月にあったオータムレディースカップ(釧路市)と同様、苫小牧勢同士の対決となった道路建設のカードで3―2としした。最優秀選手にはDF志賀葵が選ばれた。
決勝の道路建設戦はシーソーゲーム。1点ビハインドで迎えた第3ピリオド12分に志賀葵のシュートにチップした松本が同点弾。その後、道路建設は残り2分を切って、この試合で2点目となった輪島のゴールで逆転したが、わずか41秒後、北野が決めて同点。残り32秒には桜井がミドルシュートを押し込んで決勝点とする劇的展開で勝利をものにした。
志賀葵は「苦しい試合展開は予想していた」としながらも「最後はチームの全員で粘れた」のが勝因と言う。桜井は「諦めない気持ちが勝った」とし、「(同点の)2点目が決まったときに『行ける』と思い、少ない残り時間でパックが回ってきて、すぐに打った。それが良かった」。胸突き八丁にした瞬時の判断を振り返る。
今大会は道路建設、Daishinを含めてスイスでのU18ユーロホッケー(スイス)の招集期間中で18歳以下の中堅選手がそろわない中で行なわれ、トヨタは学業・仕事の都合や負傷も含めて主力4人を欠いた大会になった。1回戦の釧路ベアーズ戦では中学1年生GK新谷が初先発して完封。今隆之総監督は「全員で戦い、相手の好守に阻まれながらも、僅差で完封勝ち出来たことでいいスタートが切れた」と振り返る。
決勝について今総監督は「逆転で勝つ事ができた。実力が付いた証しと思う」と話し、「昨季後半は勢いが失速してしまった。この優勝で自信を持って、今季は日本リーグや集大成の全日本選手権へ向かっていってもらいたい」とメンバーに期待する。