次々と新たな記録を打ち立ててきたドジャースの大谷が、史上初のシーズン50本塁打、50盗塁の快挙を遂げた。先人への敬意とともに、偉業達成後に込み上げたのは「うれしさと安堵(あんど)」だった。
節目の盗塁は一回の重盗で。難しい三盗を決めて到達した。わずかにタッチを避けてセーフとなり、手を何度もたたく。二回は悠々と51盗塁目を決め、7月から28回連続成功。今季の失敗はわずかに4度で、優に9割を超える成功率の高さも見逃せない。
六回の49号で王手をかけると、歴史的な瞬間はすぐに訪れた。七回に左翼へ50号。だが、この日はこれにとどまらない。九回に、敗色濃厚のマーリンズが本来は野手の選手を登板させていたとはいえ、完璧な51号アーチを右中間へ飛ばした。
一気の「51―51」。1試合の成績に限れば、3発も6安打も10打点もメジャー自己最多となる大暴れだった。「本塁打は狙ったら出ないもの。勝ちにつながるいい打席を1打席でも多く積み重ねたいとは思っていた。そういう意味では本塁打以外の打席も良かったのではないか」と自賛した。
この日、ドジャースのポストシーズン進出も決定。チームとしては12年連続だが、移籍1年目の大谷にとってはメジャーで初めてだ。
「米国に来てからずっと夢に見ていた舞台。そこに向けてまた一から頑張りたい」。感慨を込めると同時に、決意を新たにした。ちょうど1年前に右肘の手術を受け、打者に専念しているシーズン。最高峰の打撃と足で、秋の戦いでも頂を目指す名門を引っ張っていく。