今年も「クマの季節」が始まった。環境省の集計では2023年度のヒグマ捕獲数が過去最多を更新し1422頭となった。本州のツキノワグマの捕獲数7831頭も過去最多。計9253頭ものクマ類が1年で駆除されたことになる。国は「保護から管理」に方針を変える。
雪解けが進み、3月以降、札幌市内の住宅地の近隣や、むかわ町穂別地区、白老町など各地からヒグマの目撃情報が警察などに届き始めた。安平町追分地区では2日、昼前から夕方にかけて、学校や公園に近い住宅街の町道などで5件、ヒグマの目撃情報が相次ぎ、大騒動になった。出動したハンターが、夕方までに体長1・3メートルの子グマ1頭を駆除した。
4月25日には、愛知県から観光で訪れた50歳の男性が名寄市内の林道に車を止めたところ、ヒグマ2頭が接近。うち1頭が近づいてきたため、空手の心得のある男性が「襲われる」と判断、顔を一発蹴ったところ2頭とも逃げたという。
4月28日には根室市内の林道で軽四輪トラックに、道路脇から走ってきたヒグマが何度も体当たりした。怒りの表情が車載カメラに撮られ、テレビ画面に繰り返し映された。人も車も恐れない、典型的な「都市型グマ」は、なぜ増え続けるるのだろう。改めて考える、春。(水)