来シーズンの奮起に期待 レッドイーグルス北海道・2023~24総括

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2024年4月17日
来シーズンの奮起に期待
レッドイーグルス北海道・2023~24総括

  アイスホッケーアジアリーグ2023~24は今月6日、全日程を終了した。リーグ、全日本選手権での2冠達成を目標にシーズンを戦ったレッドイーグルス北海道だったが、いずれも制覇することはかなわなかった。今年また訪れる戦いの季節で奮起に期待がかかる。

   今季、チームの指揮官は、前任の菅原宣宏前監督からGKコーチだった荻野順二新監督へとバトンが引き継がれ、新主将はFW中島彰吾が務めた。栃木日光アイスバックスから、GK井上光明とFW牛来拓都、東洋大からDF武部太輝も獲得し、新体制での船出となった。

   荻野監督は目標達成のため、選手たちに何事も「自分たちで考える」主体性を求めた。「プレーが良くても、人間性が伴わなければならない」とし、「成長」をテーマに掲げてチームづくりを進めた。

   リーグ開幕戦は、昨季プレーオフで延長の末に敗れ、アジア頂点を奪われた宿敵HLアニャンとの2連戦。第1戦はGK成澤、第2戦は小野田が先発し、2連勝を挙げた。こうしたGK併用の起用法も今季の特徴の一つで、シーズン終了まで成澤は18試合で92.11%、小野田は13試合で94.22%と、共に高いセーブ率を競い合った。

   昨年12月には全日本選手権にタイトル獲得を懸けて臨んだ。関東大学リーグ1位の明治大を6―0で完封して臨んだ準決勝は、栃木日光アイスバックスとの対戦となった。幾度となくチャンスメークするも、60分間で1得点。延長で一瞬の隙を突かれての敗戦となった。激戦を終え、荻野監督は「内容は良かったが、なかなか得点を奪えなかった」と悔しさをにじませた。

   リーグ前半を11勝5敗で折り返したレッドイーグルス北海道は後半に入り、全日本の悔しさをバネに年明け1月まで今季初の5連勝を遂げて勢いに乗った。同月6日のホーム戦には最多の2836人が来場し、選手を後押しした。レギュラーリーグ最終2連戦は首位を争う戦いとなった。いずれかの試合で60分間の勝利を挙げればレギュラーリーグを首位で終えられるはずだったが、まさかの2連敗。高い壁を越えられずRLの宿敵との勝敗は3勝5敗とリーグ内で唯一負け越した。

   プレーオフは昨季と同じ顔合わせ。レギュラーリーグ最終戦から続く同一カードとなったHLアニャンについて、FW中島は「開幕戦の頃はシステムが全員に浸透しておらず、仕上がっていない印象だった。リーグの終盤にはチームとしてやりたいことが統一され、どのラインでも得点し、失点も少なかった」とみていた。

   HLアニャンにはレギュラーリーグ最終2戦で連敗。プレーオフでは、先行する試合展開を見せたものの、終盤に追い上げられ、覆された試合が続いた。「技術や体力面は、大きく違いはないと思う」とした上で、惜敗が続いたことを「『勝つチーム』としての経験、メンタル、試合運びに差があったのかもしれない」と振り返った。

   「成長」を掲げ、今季を戦い続けたレッドイーグルス北海道。目標の2冠達成はならなかったが、若手選手が活躍するなどの収穫はあった。シーズン終了報告会で、選手たちは「来季こそタイトルを『ワシづかみ』する」と誓った。

  (松原俊介)

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