アジアリーグアイスホッケー2023―24のプレーオフ(PO)が30日午後3時、レッドイーグルス北海道(REH)のホーム、苫小牧市内のネピアアイスアリーナで始まる。レギュラーリーグ最終2連戦で連敗を喫し、2位となったREH。リベンジへの熱い思いを胸に宿敵のHLアニャンとアジアの頂点を競う。
昨季のPOファイナルも同じ顔合わせだった。REHは2勝2敗で迎えた第5戦で延長の末に敗れ、アジアリーグ制覇にあと一歩、手が届かなかった。
「去年の悔しさがある。絶対やり返すという気持ちを持って臨む」と闘志をたぎらせるFW入倉大雅。副主将を任された今季はチームメートへの声掛けや、相手へのチェック、シュートブロックなど成績には表れにくくも、チームにとって必要なプレーを率先して行うことでREHをけん引してきた。「チームにはスキルの高い選手がたくさんいるので、そうしたプレーを確実にこなしていきたい」と話す。
センターフォワードとしてフェースオフでパックを奪い、広い視野で攻撃の起点をつくる入倉は今季、数的優位なパワープレーでも活躍してきた。相手GKの前にポジションを取り、プレッシャーをはねのけながら得点を狙う。「自分に当たって入ってくれれば良い―というくらいの気持ちでプレーしている」と貪欲に勝利を求める。「足りなかった部分を改善して、開幕からやってきたことを全て出し切れば絶対勝てる自信はある。チーム一丸となってやっていきたい」と力強く語った。
キャリア11年目で今季、10年在籍した栃木日光アイスバックスから入団したFW牛来拓都は、これまでリーグ制覇は未経験。「優勝するためにここに来た」と懸ける思いは強い。「チームの勝利のため、犠牲心を持って自分のできることをやる。チームのラインメートの持ち味を生かす『つなぎ役』のようなプレーを心掛けて戦ってきた。もう少し自分で得点もしたかったが、セットでいい形で得点した場面もたくさんあったし、手応えも感じている。そうしたプレーをPOでも発揮したい」と話す。
24日のレギュラーリーグ最終戦について「スタートから勢いを持って選手一人一人が自分の役割を全うしようと一体感があった。相手のスペシャルプレーの精度が高く、負けはしたが、POで優勝できる―という気持ちはある」と力を込める。最終戦は今季ホーム戦で2番目に多い2314人が来場した。第3ピリオド、一時勝ち越した場面で牛来は「会場の一体感を感じたし、(声援の大きさに)鳥肌が立った。アイスホッケーをこうした環境の中でプレーできることはとても幸せだと思うし、雰囲気をかみしめてプレーした」と回顧する。
POに向けて「レギュラーシーズンは得点が少なかったので得点、MVPも狙っていきたい」としながら「結果はワンプレーの積み重ねについてくる。まずは初戦、ベストパフォーマンスでチームの勝利につながるようなプレーを100%する」と決意する。リーグ制覇について「自分は経験がないしチームも優勝から遠ざかっているので、できることは100やりたい。その結果勝てればいいし必ず勝ちたい」と王座奪還を誓った。
5戦3勝先勝ち方式のプレーオフ。第2戦は31日午後3時から同会場で、第3戦以降は4月4日から韓国のアニャンアイスアリーナに熱戦の地を移す。