北海道学生野球連盟1部の北洋大は22、23両日にとましんスタジアム=苫小牧市=で行われる春季リーグ第1節で道教育大旭川と顔を合わせる。連覇を狙う東京農業大道オホーツク、函館大の2強と優勝争いを演じるには連勝が不可欠。内野手の大沼恒介主将(4年)=駒大苫小牧高出=は「まず1勝すれば波に乗っていける」と意気込む。
優勝校に与えられる全日本選手権(6月、東京都)切符を懸けた戦い。道内6校が5月21日を最終日とする競技12日間で2回戦総当たりを繰り広げる。
北洋大は春先のオープン戦を全敗。「野手のエラーから投手のリズムを崩してしまう」(主将)自滅的な展開がほとんどで、信条とする投手を中心とした守りの野球に大きくほころびが出た。
長くチームの根幹を担い、3月に卒業した13人の先輩たちの穴は想像以上に大きかった。陣容は一気に若くなり、大学舞台での経験値が少ないことも一因。大沼主将は「自分から積極的に声を掛け、後輩たちのモチベーションが下がらないように注意したい」と言う。
一方で攻撃面は調子を上げている。4番で捕手の臼井彗暉(4年)=北海道栄高出=が、札幌学生野球1部の札幌大谷大とのオープン戦で柵越え本塁打。大沼や田中善(2年)=駒大苫小牧高出=、ルーキーの小山力也(1年)=同=といった主軸もバットがよく振れている。「投手の生きた球に慣れてきた。他選手にも粘り強さが出てきている」と大滝敏之監督は手応えを口にする。
投手では大黒柱の福田翔大(4年)=駒大苫小牧高出=が粉骨砕身を誓う。冬期間に体重を10キロ近く増やし、球威が増した。「スピードガンで球速を測ったわけではないが、まだ寒い中でもいい出力で投げられている」と自信をのぞかせる。
後藤晟(ホンダ)ら先発、中継ぎ、抑えと各役割を担った先輩が多く抜け、野手と同様に若い布陣になった。福田は各節の第1戦で先発しチームを勝利に導くのはもちろん、「展開次第では2戦目も投げる準備をしていく」と力強い。
大滝監督は「若いチームだけあって、勢いに乗ってくれたら一気にいく可能性も秘めている。まずは初戦の入りが大切。守りの野球を徹底していきたい」と語った。