むかわ町松風にある静光寺の水谷寛應副住職(25)が18日、日蓮宗大本山の正中山法華経寺=千葉県市川市=で100日間に及ぶ大荒行を経て帰山奉告を行った。道内各寺の修行僧11人と共に同寺院で帰山奉告式に臨み、「皆さまから受けたご恩に報い、これを機により一層精進する覚悟」と地元参拝客らにたくましく成長した姿を見せた。
大荒行は全国から100人超の僧侶が集まり、昨年11月1日から今年2月10日まで実施。修行中の食事はかゆで、睡眠時間は2時間ほどと少ない中、水行や読経を繰り返す日々を送った。
寒さと空腹、さらに睡魔と闘いながらの過酷な修行とあって、この期間に体重が10キロ以上落ちる人も多く、水谷副住職もこの期間に体重は11キロ減った。また、修行を開始して20日ほどたった頃にへんとう腺炎で発熱。強制的に休まざるを得ない悔しさから涙を流した日もあった。しかし、「入行前にねぎらいの言葉をいただいた方々の気持ちに応えたい」との思いが、過酷な修行を耐え抜く原動力になった。
帰山報告では、参拝客が見守る中、一行と共に寒空の下で頭から冷水をかぶる水行などを通じ、厳しい修行の成果を披露。おけですくった寒水をふんどし姿で何度もかぶった。その後、本堂で経を上げ、無事荒行を終えたことを報告した。駆け付けた多くの参拝客から「お帰りなさい」と声を掛けられ、「何とか無事に戻ってくることができました」と笑顔で頭を下げた。
地元に戻り、「巡礼はまだ続くが、まずはすごくほっとした」と胸をなでおろす水谷副住職。「困っている人に寄り添える僧侶になりたい」と決意を新たにしていた。