厚真町を活動拠点にする空手道場「最強塾」に通う北海道栄高校3年の木戸翔太さん(18)=安平町在住=が、1月29日にエディオンアリーナ大阪で開かれた第5回W・K・Oジャパンアスリートカップ・高校男子の部(75キロ以上)に初出場し、優勝を飾った。昨年末に行われた日本ジュニアチャンピオンシップ空手道選手権大会に次いでの優勝。高校生最後の全国舞台で結果を残し、「気持ちで下がらず、前に出て戦うことができた」と納得の笑顔を見せた。
NPO法人国際空手拳法連盟白蓮会館が主催する組み手の全国大会。高校男子の部は、各地区の予選を勝ち抜いた9人がトーナメントで競った。1回戦から登場した木戸さんは初戦、2回戦と100キロを超える相手に対してひるむことなく膝蹴りでペースをつかむと、いずれも判定で勝利。準決勝では187センチと長身の選手に右の下段回し蹴りで技あり2本を奪って一本勝ち。勢いそのままに決勝も押し切り、頂点まで駆け上がった。
これまでの全国大会では、緊張から思うような動きができないことが多かったが、この日は「高校最後なので全部出し切って優勝する」と果敢に前に出るスタイルを決行。納得の試合運びとなり、「練習でやってきたことをそのまま出せた」とうなずく。指導してきた同塾の幅田洋司塾長(44)も「動画で見る限り、今までで一番内容が良かったのでは。いつも緊張で最初の方は(動きが)硬いが、今回は伸び伸びと自分の組み手ができていた」と目を細めた。
5歳で空手を始め、小学生から中学生にかけてはなかなか思うような結果を出せず、もがいた時期があった。変化が見られたのは高校2年生の頃。練習の1時間前に道場に足を運び、自主的に筋力トレーニングに打ち込んだことで体力がつき、大会での結果が比例してついてきた。「失敗したからこそ、今の結果がある。挫折してやめずによかった」と今だから思う。また道場には同年代に同じ階級の選手がいないことから、一般の選手や同期のメンバーが大会直前まで練習に付き添ってくれた。「一人ではできないことができた。感謝している」と話す。
将来は消防士を志しており、高校卒業後は札幌市内の専門学校に進む。一方の空手では同塾に籍を置きながら、札幌市内の道場に出稽古し、腕を磨いていく考えだ。「1人暮らしでは分からない部分もあるが、練習を続けてもっと強くなれたら」とさらなる高みを目指す。