女性や高齢者のサポートなどに活動する白老町のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)は今月、多文化共生の社会を目指し、外国人にも視点を当てた取り組みを始める。手始めに町内在住の外国人を講師とした料理教室と地域防災講座を開く考えで、同法人が活動拠点とするコミュニティーカフェ「ミナパチセ」(町社台)を経営する田村直美代表(51)は「共生の社会づくりに挑み続けたい」と話している。
同法人は2019年に発足。「一人ひとりの違いを認め合い、誰もが手を取り合って生きる共生の社会づくり」を目指し、DV(配偶者などからの暴力)などで孤立する女性の居場所づくり、高齢者らの健康維持に役立つ場づくりに活動している。ウテカンパは、アイヌ語で「手をつなぐ」という意味。
外国人に視点を当てた活動の背景には、町内の外国人在住者が昨年12月末時点で294人まで増えたことや、技能実習生にベトナム人が多いことなどがある。
料理教室は、中国東北部の黒竜江省出身の町地域おこし協力隊員の鄭延雪さん(34)が講師。18日午前11時から町大町2の大町食堂で開き、中国の家庭料理を一緒に作って試食する。
メニューは「白老牛入り餃子」「椎茸と卵のスープ」「揚げ豚肉と茄子炒め」の3品。町の特産品の白老牛やシイタケ、卵などを使う予定で、参加費は18歳まで無料、大人は300円以上を寄付する。
地域防災講座は、町内の団体職員で北海道ベトナム人協会室蘭支部事務局次長のヌウエン・ティ・ヒエンさん(36)が講師。19日午後8時から、町内在住、在勤のベトナム人を対象にオンラインで開催する。
オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、千島海溝を震源とする巨大地震や津波で起こり得る被害の想定や自衛策などについて語る。
いずれも安心して暮らしていくために役立つ学びの場や交流の場で、今後も随時、同様の催しを実施していく考えだ。
料理教室の申し込み、問い合わせは田村代表 携帯電話080(1874)3624。防災講座はヌウエンさん メール(sunflowerhien86@gmail.com)。