旭川大学保健福祉学部コミュニティ福祉学科の学生が28日、同学科の授業「コミュニティ調査実習」で厚真町民らを対象に昨夏インタビューした内容について、まとめ報告を遠隔オンラインで行った。大学と厚真町役場、豊丘マナビィハウスをつないで実施し、学生たちは道内の自治体で人口の社会減が多い中、厚真町で起きている社会増の要因、移住者が町内にもたらしている効果、今後の課題などを同町の関係者に伝えた。
同学科の2、3年生28人は、昨年8月16~20日の5日間、オンラインを活用して同町に移住した町民約30人を対象に聞き取りを行い、グループごとに地域での取り組みや在住する町民との関係性、課題などをまとめて報告した。
あるグループは移住者が技術の継承だけではなく、地域に参画することで新たな付加価値を与えていることやマンネリ化を防いでいることなどを挙げ、「地域活性化の役割を担っている」と発表した。
別のグループは厚真町の社会増について取り上げ、要因として「起業家を応援する(町独自の)ローカルベンチャーや農業支援などの制度がまちの強みになっている」と分析。「移住施策ばかりに目を向けず、関係人口をしっかりと定住につなげるバックアップ体制があれば、まち全体により活気をもたらすのでは」と見解を述べた。また課題として「特徴的な取り組みだが、制度があまり知られていない」とPR不足を指摘した。
同学科2年の土川愛香さん(20)は「福祉に携わる上で、地域理解は必要不可欠。厚真町はこれまで見た中でも特色が強く、知れば知るほど興味深かった」と振り返り、「調査や報告で、まちに一つでも良い影響を与えられたら」と話していた。
報告会には、町民や役場関係者が参加し、学生の意見や指摘に耳を傾けていた。