東胆振、日高管内の4校合同チーム 解散 高校サッカー ラストシーズン成果出し切る

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  • 2022年9月21日

 東胆振、日高管内の4高校のサッカー部でつくる合同チームが、17日の試合を最後に解散した。静内農業(新ひだか町)、えりも、白老東、鵡川(むかわ町)高校によるチームで、3年生の引退によって3校の部員がいなくなるため、活動に終止符を打った。新型コロナウイルス感染症の流行で、全員そろって練習する機会をつくれなかった中、遠く離れた高校生たちは互いにコミュニケーションを積極的に取ってチーム力を高め、今季予定していた全ての大会に出場、成果を出し切った。

 地方高校の部活動は部員不足に悩まされ、近隣の高校が合同編成するケースは珍しくない。静農、えりも、白老東の3校はここ数年、合同で活動していた中、昨年秋の新人戦から鵡川が加わり、4校でチームを結成した。

 平日は各校それぞれが少人数で練習を重ねていたが、コロナ禍による行動制限もあって、4校が集まることはほぼなく、ぶっつけ本番で試合に臨んでいた。

 それでもメンバー同士は距離を縮めようと、グループLINE(ライン)を立ち上げて統一した練習メニューを組んだり、考えや目標を共有したりするなど、積極的にコミュニケーションを取ってきた。その積み重ねが実を結び、高体連室蘭支部予選では待望の1勝を挙げた。17日で最終戦となった苫小牧民報杯U―18(18歳以下)リーグは、勝率5割で終えた。

 鵡川高3年の佐々木大和選手(17)は「最後まで諦めずに頑張れた。チームワークを高めるのは大変だったが、勝つこともできて良かった」と振り返り、静農高3年の靏野天晴副主将(17)は「試合で初めて会う選手にも必ず声を掛けるようにしてきた。ピッチの外でもコミュニケーションを取るようになったことが、試合の勝ちにもつながった。これからの人生でもなかなかない良い経験」と話した。

 監督として指揮した静農高の岩瀬大河教諭(27)は「点を取られても取り返す場面など成長が感じられた。人数に関係なく、(即席で)集まっていい試合ができるようになったのは、お互いが友達ではなく仲間として高め合い、一生懸命に取り組んだから」と目を細める。「目標を持って、こつこつ積み重ねていく努力の大切さを感じたのでは」と話す。

 鵡川高を除く3校はいずれも3年生が引退すると、部員がいなくなるため、4校そろっての活動はここで終了。それぞれ違う道に進むことになるが、えりも高3年の吉井馨悟主将(17)は「最初は連携を図れずに悩んだが、今まで年間1、2勝しかできなかったチームがラストのシーズンで結構勝つことができた」と満足げに語り、「何年か後に、みんなで集まって同窓会のようにサッカーができたらいいですね」と笑顔を見せた。

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