むかわ町青葉に移転新築し、この春に完成した胆振東部消防組合消防署鵡川支署新庁舎の開署式が17日、行われた。消防職員や地元関係者ら計約100人が出席し、胆振東部地震からの「復興のシンボル」として位置付ける新しい施設の門出を祝った。
3月から稼働している消防署鵡川支署の新庁舎は、鉄骨造り5階建て。津波などに備えた町民の一時避難所を確保するほか、有事には災害対策本部として機能する。新型コロナウイルス感染症を考慮した救急車の待機場所、隔離車庫を持ち合わせ、照明や冷暖房設備を工夫して環境への負荷を軽減している。また町民から施設の愛称を募集し、鵡川高校1年の粟田浬さんが考案した「みまも~るむかわ」に決まった。
式典で鵡川消防団によるまとい振りが披露された後、同組合管理者の宮坂尚市朗・厚真町長は「さまざまな防災機能を備えた近代的な庁舎。むかわ町における胆振東部地震からの復興の象徴として、消防行政のさらなる充実が図られることを期待している」と式辞を述べた。
同町の竹中喜之町長は「屋上には住民の一時避難スペースを確保し、会議室は災害対策本部設置が可能になるなど総合防災拠点施設としての機能が発揮できる。『創造的復興・創生』と(次の災害に備える)『事前復興』を両輪で進めることで、活力ある地域を維持することにつなげたい」と意気込みを語った。
この後、来賓の祝辞や関係者によるテープカットなどが行われ、式典に花を添えた。