アイヌの星 伝承学ぶ アヨロ鼻灯台舞台の作品と共に トークイベント 白老

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2022年9月12日

 星にまつわるアイヌの伝承について専門家から話を聞くトークイベントが11日夜、白老町虎杖浜で開かれた。町民8人が国立アイヌ民族博物館学芸員の矢崎春菜さん(35)の講話に耳を傾けた。町内で10月10日まで開催中の芸術祭「ルーツ&アーツしらおい―白老文化芸術共創」の広報担当で町の地域おこし協力隊員、山岸奈津子さん(42)とアイヌ文化振興を担う乾藍那さん(35)がアイヌ文化にも理解を深めてもらおう―と企画した。

 矢崎さんはアイヌの星に関する書籍の記述から、オリオン座が北海道中部や北部の山岳地方ではシヤプカ(大きな雄鹿)と呼ばれたり、道中部や道東方面ではイヌンペシッケウオロカムイ(炉端の隅にいる神)と呼ばれたりしていたことを紹介。地域によってさまざまな解釈があり、豊漁や豊作の目印にするなど多くの物語が紡がれたことを解説した。

 虎杖浜地区では、アヨロ鼻灯台を舞台に、サウンドアーティスト大黒淳一さん(48)のレーザー光によるアート「光の矢を放つ」を毎週末の午後7時から約20分間開催しており、参加者はトークイベント後にレーザー光が空を貫く様子も鑑賞した。光の演出は「仲間や群れを守るため、自ら狩りの犠牲になった勇敢な大鹿を射抜いた伝説の3本の矢」の物語に着想を得ている。

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