北海道学生野球1部秋季リーグ4連勝と勢いに乗る北洋大は10、11両日にうみ街信金ボールパーク=桧山管内江差町=で函館大との第3節を戦う。東京農業大北海道オホーツクを含めた3校が4勝で並ぶ首位争い。「ここから再スタートする気持ちで」と大滝敏之監督は選手たちに奮起を促す。
日程の都合で2節との試合間隔はわずか中3日だが、8日の北洋大グラウンドで行われた全体練習では各選手が疲れも見せず軽快な動きを披露した。
4試合連続安打中で、2節の帯広畜産大戦では2試合連続マルチ安打と打撃好調なのは中堅手の高橋飛雅(4年)=札幌日大高出=。いずれも技巧派投手との対戦で「手首を柔らかく、軽くボールをすくい上げるようなイメージ」が奏功した。
春季リーグから担う中軸の3番も板についてきた。好機を逃すまいと力みがちだった春と違い、「自分らしくつなげるバッティングをしよう」と心掛ける。3節以降は相手投手の質がぐんと上がり、真価が問われる。
「みんなすごく明るくて、声もよく出ている。いい波に乗っている」と期待感を口にするのは学生コーチの長里安晟(4年)=札幌山の手高出=。日々の練習サポートをはじめ、部の金銭管理、遠征先の宿泊手配、試合運営などマネジャー不在のチーム活動を支える縁の下の力持ちだ。
静内町出身。入学後に初めてイップスに陥った。同期や歴代の先輩たちが付きっきりで克服の手助けをしてくれたが、選手復帰まではかなわなかった。「少しでもチームのためになりたい」。恩返しの一心で学生コーチ役を受け入れた。
選手時代には見えていなかった、周囲の協力のおかげで伸び伸び野球ができることを知った。家族や指導者、大会役員、審判、対戦校など関わるすべての人に「感謝する大切さを学んだ」という。
秋季リーグ開幕前に気合を入れて頭を丸刈りにした。意気に感じた選手数名も続き、その一人で三塁手の齋藤健(4年)=千葉東葉高出=は2節2回戦で猛打賞と活躍した。長里は「みんながプレーしやすいように、特に4年生は悔いの残らないように最後までサポートしていきたい」と語った。