宮坂町長が会見 「一人も取り残さない復興」 胆振東部地震から4年 厚真

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  • 2022年9月1日

 厚真町の宮坂尚市朗町長は8月31日、2018年9月6日に発生した胆振東部地震から4年を目前に控え、記者会見を町総合福祉センターで開いた。宮坂町長は「誰一人取り残していかない復旧復興を目指す」とともに、「復興の先にある創生を視野に入れながら取り組んでいくことが、震災で犠牲になられた方々に対するわれわれの使命であり、恩返しになるのでは」と復興への取り組みなどに意欲を表した。

 4年前の大地震で震度7を観測し、災害関連死を含む37人が亡くなった厚真町。山腹崩壊により約3200ヘクタールの森林が崩壊したほか、人家や道路なども大きな被害を受けた。

 北海道と町のこれまでの復旧事業では、長期的になる治山、宅地耐震化を除いて、河川・道路や農地・農業用施設、林道などが21年度中に完了。完成率は7月末時点で84・5%となった。

 一方で、被災した町民の心のケアの部分では新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、「想定していた事業ができずにいる部分もあり、じくじたる思い。被災者の傷を癒やすには4年は短い」と語り、「町民の生活、心の傷を癒やすのに十分ではないことについてはさらなる手段、工夫を講じ、個別の課題解決に向けて体制を整え、お手伝いしていく」と説明した。

 またゼロカーボンの推進をはじめ、すでに自走しているエネルギーの地産地消、新たな事業を展開する人材の活用などにも言及。「新しい芽を育てながら、時代の先端を走るつもりで、新たな課題に地方として応えていく取り組みも進める。厚真町のポテンシャルを深掘りし、高めていきたい」とし、「全国の皆さんに厚真町の実態、復旧から復興への歩み、あらゆる災害への備えを発信しながら、この震災の記憶を風化させない取り組みを進めていく」と決意を述べた。

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