国の巨大地震の被害想定を検討した専門家作業部会メンバーで、寒冷地防災学が専門の根本昌宏・日本赤十字北海道看護大学教授は27日、白老町の竹浦コミュニティセンターで、津波災害を中心に避難行動のポイントについて講演した。
北海道防災会議と白老町による合同の防災訓練の一環で、町民ら約100人が耳を傾けた。根本教授は、冬期間が長い本道では低体温症のリスクが高い点を強調。すぐに避難行動できるように、玄関に防寒着や冬靴の準備を勧め、「衣類を用意し、ぬれたらすぐに着替えてほしい。低体温症は予防ありきで、津波だけでなくすべての災害に共通」と訴えた。「逃げろ、と言われても指示がないと逃げられない人もいる。だから、訓練はとても大切。(災害時に)後悔しそうなことをあらかじめ考えておけば、自分に何ができるのかが見えてくる」とも説いた。
講演を聴いた、しらおい防災マスター会会長の吉村智さん(76)=町末広町=は「冬場の訓練をどうしようかと話していたので、具体的に課題を学べ、よい機会になった」と話した。