【兵庫県丹波市、北畠授】第26回全国高校女子硬式野球選手権大会第5日は26日、ブルーベリースタジアム丹波などで2、3回戦が行われ、駒大苫小牧は2回戦で岡山学芸館(岡山)と対戦し2―8で敗れた。
▽2回戦
岡山学芸館
3201020―8
0010100―2
駒大苫小牧
(岡)堂前―向井
(駒)吹越、鈴木、野呂―勝俣
?山本(岡)鈴木、金田(駒)
駒大苫は三回に金田の適時打、五回に鈴木の適時二塁打でそれぞれ1点を返すも、投手陣が踏ん張れなかった。
▽3回戦 履正社(大阪)2―0日南学園(宮崎)、横浜隼人(神奈川)5―3静清(静岡)、京都両洋(京都)7―0花巻東(岩手)、神戸弘陵(兵庫)5―0高知中央(高知)
▽2回戦 秀岳館(熊本)3―2福井工大福井(福井)、島根中央(島根)13―5新田(愛媛)、岐阜第一(岐阜)5―2京都外大西(京都)
岡山学芸館 打安点
(8)小塩 310
(6)中本 100
(5)山本 332
(1)堂前 421
(3)成豊 202
(9)北原 422
(2)向井 310
(7)前田 410
(4)松島 410
28117
振球犠盗残失
536181
投手 回 安 責
堂前 7 7 1
駒大苫小牧 打安点
(6)1野呂 410
(5)15鈴木 331
(9)金田 321
(2)勝俣 200
D 渋木 000
5佐藤瑚 200
(3)渡辺 100
(7)嵯城 300
(4)藤井 300
(8)小坂 310
2472
振球犠盗残失
051083
投手 回 安 責
吹越 12/3 4 5
鈴木 21/3 4 1
野呂 3 3 1
―最後まで打力でけん引、金田「感謝しかない」
満身創痍(そうい)でも秀でた打力は最後まで健在だった。駒大苫の攻守の要、外野手金田(3年)が2安打1打点、2戦連続の長打を放って最後の高校ステージに花を添えた。
三回2死一、三塁で回ってきた第2打席。茶木監督から「5割の力でいいぞ」と声を掛けられ肩の力が抜けると、目の覚めるような快音を響かせ右前にタイムリー。「気持ちよかった」と笑みをこぼした。
五回の第3打席こそ好守に阻まれ右飛となったが、最終第4打席は中堅手の頭上を高々と越える二塁打で締めた。
7月上旬の北海道支部リーグで本盗した際、腰のヘルニアが再発。一時は松葉づえを必要とするほどだった。特に走力は格段に落ち、ランニング本塁打級の当たりも二塁打にするのがやっとな状態だった。歯がゆさの中でも「最低限の仕事は果たせた。夏の舞台に立たせてもらって感謝しかない」と表情はすがすがしかった。
試合後、先発の吹越ら主力を担った2年生が涙に暮れた。「3年生同士の意地のぶつかり合いに自分たちが負けただけ」とし「責任を感じずに、またてっぺんを目指してほしい」とエールを送った。
―序盤の大量失点響く
創部3年目、全学年がそろった節目の夏はまたも2回戦で幕を閉じた。
一回、先頭打者を難なく二ゴロに打ち取った先発吹越(2年)は、次の打者を四球で出塁させると連打に失策が絡み3失点。二回も1死から追加点を与えた。
三回までに4点を奪い逃げ切った1回戦とは一転して大量5点を追う展開。茶木監督が「三者凡退で終われる回がなかった」とぼやくように、六回まで毎回走者を許した守備の悪い流れは、好機でつながりに欠けた攻撃にも影響した。
「1回戦は勢いで戦えたけど、2回戦になるといろいろなことを考えてしまう。いつも通りにいかない難しさがあった」と藤井主将(3年)。日本一を掲げて厳しい練習に励んだ3年間を思い起こし、「やれることは最後までやれた。後悔はない」と気丈に振る舞った。
この試合3安打1打点、投げては2番手でマウンドに上がった鈴木(2年)は「いつでも手本になってくれる優しくて頼れる先輩たちが目標にした日本一を、来年自分たちがしっかりかなえたい」と涙ながらに誓った。