厚真高校陸上同好会1年の中島愛梨さん(15)が、8月3日から徳島県鳴門市で開催される2022年度全国高校総体(インターハイ)の陸上競技に北海道代表として出場する。6月中旬に釧路市民陸上競技場で開かれた第75回北海道高校陸上競技選手権大会の女子円盤投げで3位入賞を果たし、6位以内に与えられる本戦の出場権を獲得。この春に立ち上げた同好会から初のインターハイ選手誕生となった。
道選手権では、予選通過基準の29メートルをクリアし、決勝に進出。決勝は6回の投てきの最高記録を競い、34メートル87をマークして表彰台に滑り込んだ。
全国大会の切符を手にした喜びの半面、「前日の練習で(推定で)38メートルくらい出ていたので、本番で投げられなかったのは悔しい」と記録には不満も残った。また、中学時代まで地元のクラブで切磋琢磨(せっさたくま)してきた川村羽海さん(15)=幕別清陵高1年=が37メートル33で同種目を制し、刺激を受けた様子。「次の大会では勝たなければいけない相手」と闘争心に火がついた。
国内でもトップクラスの選手が駆使する「回転投法」の第一人者でもある大垣崇さん(38)の指導を受け続けたいと、強豪校の誘いを断って地元に残る決意をした。厚真高に通いながら、放課後は学校近くの施設で筋力トレーニングを行った後、大垣コーチの自宅にある特設練習場で投げ込みを行い、腕を磨く。「うまくいった時といかない時の(記録の)波が激しいのが課題」と自らを分析しており、試行錯誤を続ける日々だ。
インターハイは各都道府県の代表選手が出場し、女子の円盤投げは予選、決勝で争われる。中学1年生時にジュニアオリンピックの出場権を手にしたが、台風の影響で予定していた種目が中止になったため、今回が実質全国デビューとなる。「まずは自己ベストを出すこと。そこからしっかりと距離を伸ばしていけたら。表彰台は考えない」とあくまで記録にこだわる考えだ。