苫小牧の還暦、古希チームの苫小牧シニア倶楽部が、6月21~23日に北見市などで開かれた第12回北海道古希軟式野球選手権大会に初出場し見事優勝した。11人の少数精鋭で並み居る強豪を攻略。来年の全日本大会(大阪府)切符も獲得した。還暦カテゴリーの北海道選手権史上初の5連覇達成に続く快挙に、渡辺徹代表(73)は「うれしさよりも、やってしまったという不思議な感覚」と目を丸くした。
3枠の全日本大会出場権を懸けた一戦。今年度中に70歳以上になる選手で構成された道内20チームがエントリーして、3日間にわたるトーナメント戦を展開した。
還暦チームに負けじと、古希チームが華々しいデビューを飾った。1回戦で旭川古希布袋クラブに勝利すると、2回戦は不戦勝。3回戦では、2019年の前回大会を含む計6回の優勝を誇る強豪札幌スターズと当たった。
二回に敵失で先制したが、その後は社会人の北海道拓殖銀行(当時)でエースだった相手先発の柴田正明を打ち崩せず、一時5点をリードされた。ただ、3点差で迎えた終盤六回に谷澤康則(73)、高嶋喜明(69)の2点適時打などで5点を奪い大逆転、そのまま逃げ切った。
勢いに乗ったチームは準決勝で深川クラブにコールド勝ち。オール札幌との決勝は「全試合投げ切るつもりだった」と4戦連続で先発登板したエース左腕の谷澤が最少失点に抑える好投。打っては1番湊英夫(69)が二回2死二塁でレフト方向に柵越え本塁打を放つなどし、6―1で快勝した。
大会前にけが人が出て実質10人での戦いを強いられたが、週3回の練習で培った体力と気力は群を抜いていた。捕手兼監督を担った渡辺代表は「積極的に盗塁するなど最後まで足が動いていた。日替わりでヒーローが出たのも良かった」。
うれしい出来事もあった。渡辺監督宛てに道外在住の高校時代の同級生から餅菓子が差し入れられた。同封の色紙には「勝負もち、食べてねばって、金メダル」の言葉。3回戦の札幌スターズ戦前に全員で食し、渡辺監督は「力になった」と相好を崩した。
▽決勝
オール札幌
0010000―1
050100X―6
苫小牧シニア倶楽部
(オ)後藤、藤田―三本
(苫)谷澤―渡辺
?湊(苫)
?山田(オ)中村(苫)
▽準決勝
深川クラブ
200110 ―4
411023x―11
苫小牧シニア倶楽部
(六回コールド)
(深)桜木―久本
(苫)谷澤―渡辺
?山本、久本、菅原(深)中村、谷澤、吉岡(苫)
▽3回戦
札幌スターズ
0043020―9
011225X―11
苫小牧シニア倶楽部
(札)柴田―森谷
(苫)谷澤―渡辺
?新貝(札)中村(苫)
?柴田、新貝(札)中村、湊(苫)
▽2回戦 苫小牧シニア倶楽部(不戦勝)滝川名球会シニアーズ
▽1回戦
苫小牧シニア倶楽部
2100030―6
1100100―3
旭川古希布袋クラブ
(苫)谷澤―渡辺
(旭)清水―石川
?今野(苫)稲木、古井戸(旭)