白老町の2021年度の観光入り込み客数は168万4073人となり、20年度実績の94・9%にとどまった。前年度を下回ったのは、18年度以来3年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令が度重なり、観光需要が鈍ったことが背景にある。
宿泊客は6万7008人で前年度比で9028人増えた一方、日帰り客は161万7065人となり、9万8903人減った。宿泊と日帰り客を合わせた入り込みの全体数は、前年度に比べ8万9875人落ち込んだ。
町の宿泊料割引事業「ウェルカムしらおいキャンペーン」や道の「どうみん割」が宿泊客数を押し上げたもの、コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言が上期(4~9月)に2度、まん延防止等重点措置が年間を通して4度発令された影響で日帰り客数は大きく落ち込んだ。
地区別で見ると、虎杖浜温泉地区(竹浦・虎杖浜)の入り込み客数は全体で62万1787人(前年度比6万3156人減)。ホテルや民泊などの宿泊者数は割引事業の効果で5万4176人(同2723人増)と増えたが、地域の景勝地を訪れたり、飲食店や土産店を利用したりする観光客らが減った。
白老地区(社台~北吉原地区)は106万2286人(同2万6719人減)。新規ホテルの開業効果もあって宿泊者数は1万2832人(同6305人増)と増加した。コロナ禍を背景としたアウトドアブームの中、町内キャンプ場の人気も高まり、屋外レクリエーション施設の利用者が5万9909人(同5671人増)と伸びた。
一方、日帰り客数の伸びを支えていた民族共生象徴空間(ウポポイ)など、集客力のある施設が緊急事態宣言の発令で一時休館を余儀なくされ、入り込み全体の減少につながった。
外国人観光客の入り込みについては、宿泊客が5人(同47人減)、日帰り客が245人(同16人減)。新型コロナ感染の世界的流行に伴う渡航規制や、航空機の国際定期便運休などで極端に少なかった。