白老町在住の男性(60)が、フクロウの顔のような模様の虫を同町白老ポロト自然休養林にあるポロト湖ビジターセンターのデッキで見つけ、持っていたカメラに収めた。10センチほどの大きさで、男性は「ガの仲間と思うが、見たことのない模様と大きさに驚いた」と話している。
撮影したのは15日午前8時ごろ。苫小牧市高丘の北海道大学苫小牧研究林の関係者によると、春を告げる虫の一種「イボタガ」で、珍しくはないが、夜行性なので日中に見掛けるのはまれ。春の夜に山中を散策する人も少ないことから「見たことがない人がいても不思議ではない」(関係者)という。
繊細な波模様と目のような丸い模様でフクロウの顔のように見えることから、英語で「アウル・モス(フクロウガ)」と呼ばれ、台湾からインドにかけて分布するとされている。
幼虫はイボタノキなどモクセイ科の木を好み、春になると羽化して成虫になる。
毒はないが、ガやチョウの羽には飛ぶために必要な鱗粉があり、人の手が触れると取れてうまく飛べなくなることから、同研究林の関係者は「見掛けても触らずに観察を」と話している。