民間の社会教育プロジェクト「熱中小学校」江丹別・白老分校(伊勢昇平校長)が23日に開校し、初日の授業がNPO法人しらおい創造空間「蔵」=白老町本町1=で開かれた。”初登校”やオンラインで計約60人の生徒が出席。人力車で世界一周を目指す車夫のガンプ鈴木さん(本名鈴木悠司、31)、年金制度に詳しい経済コラムニストの大江英樹さん(69)の講義に聴き入った。
ガンプ鈴木さんは1時間目の授業で登壇した。2013年に人力車と出合い、浅草で人力車を引く仕事に就きながら16年以降、世界中の人との交流を目的に旅を続けており、これまでにアジアやヨーロッパを中心に11カ国を訪れている。
講演では言語や環境の違いを越えて得られた交流や各地の親切な人々との出会い、35歳までに五大陸制覇したいという夢を語った。米国横断中にコロナ禍に遭遇して帰国したが「『JUST FOR FUN』(とにかく楽しもう)という言葉で前向きになれた。7月から再挑戦したい」と目を輝かせた。
大江さんは2時間目で「誰も知らなかった年金の真実」と題し、公的年金の本質やよくある誤解について講演した。
授業は9月までの半年間、同町と旭川市江丹別町の両地域でそれぞれ隔月で月1回、各分野のスペシャリストを講師に招いて行う。白老では「蔵」が運営し、8月には無料で参加できるオープンスクールを町内で開催する予定。高校生以上の各世代の人たちが生徒となり、学び得た知識を自己研さんや地域活性化に生かしてもらう。
熱中小学校は15年10月、大人の学びの場として山形県高畠町でスタート。一般社団法人熱中学園(東京)が学校運営を支援し、これまでに北海道から沖縄まで国内19校、米国1校が開設されている。江丹別・白老分校は21年11月、22年2月のオープンスクールを経て開校した。