苫小牧市の女子軟式野球クラブチームの苫小牧ガイラルディアが悲願の日本一に向けて今季の活動を開始した。のぞみ公園野球場ではナインが精力的に打撃・守備練習に汗を流している。
チームは「守り勝つ野球」を掲げて2020年の春季、秋季北海道大会で2冠を達成している。日本一を決める大舞台の全日本選手権では09年に準優勝、道内屈指の強豪チームとして躍進を続けている。
新型コロナの影響を受けた昨季は、活動施設の制限で満足に練習を行えず、大会も軒並み中止。唯一行われた春季道大会(7月、江別市)では惜しくも準優勝だった。
今春から新たに片桐心絆(緑陵中1年)と佐藤はる花(室蘭栄高1年)が加入し、25人体制で活動。片桐は昨年12月に岡山県で行われた学童女子の全国級大会で道選抜として活躍したオールラウンダー。佐藤はソフトボールから軟式へ転向してきた。大滝裕生雄監督は「練習も一生懸命で向上心が強い」と評価。2人に対して「頼もしい存在。これからの活躍が楽しみ」と期待が大きい。
17年にチームを退団し、俳優やモデルとして活躍している椿梨央(26)は今年3月、女子野球の普及と育成に貢献したい―と女子硬式の兵庫ブルーサンダーズに選手兼公認アンバサダーとして入団。大滝監督は「チーム出身の選手が道外でも野球界を盛り上げるために活動していることは大変うれしい。女子野球の競技レベル向上と普及に徹する姿勢に、周りの選手たちも刺激になる」と喜んでいる。
今年8月に東京で開催予定の全日本大会は、6月の北海道春季大会上位2チームに出場権が与えられる。新型コロナの影響で20、21年の中止を経て3年ぶりの開催。大滝監督は「日本一を達成するために、まずは春季で優勝し、切符をつかみたい」と意気込んでいる。
チーム副主将を務める朝長優華(文教大4年)、京野優希(札幌大2年)、小鹿未來(苫小牧総合経済高2年)の3人は「中学生から社会人まで幅広い世代がいて、仕事や勉強との両立が大変だけど、みんな野球が好きでいつも楽しく練習している。今年は日本一になって優勝旗を持って帰りたい」と闘志を燃やしている。