東胆振の社会人野球チーム、オール苫小牧とWEEDしらおいがクラブ選手権のタイトル奪取に向けて始動した。今季は道内各チームの新戦力補強などで実力が拮抗(きっこう)しており、両チームの練習も熱を帯びている。
オール苫小牧は今季、絶対的エースの浦崎祐介を筆頭に、投手陣の成長が楽しみの一つ。攻撃面では走力と頭脳戦で相手をかき乱し、1点でも多く点を取れる野球を目指す。
チームは1日に王子製紙多目的トレーニングセンターで練習を開始した。キャッチボールやトスバッティングなど、基礎練習に2時間汗を流した。
新たに加わった新戦力は茂木翔吾、上野宏人と古川大雅の内野手3人。全員25歳以下とフレッシュな顔触れ。本野伸一監督は「みんな走力にたけている。肩もいい選手が増え、外野の守備範囲が広がるのでは」と期待が大きい。
選手は勤務先がバラバラで公式戦で全員そろうことが難しい。それでも「全員がそろったときの破壊力は絶大」(本野監督)といい、主将の清水健太は「苫小牧の名を背負って、クラブ選手権道予選優勝を目指したい」と意気込んだ。
WEEDしらおいは1月から週3回の室内練習をこなし、2日から日本製紙球場(白老町)でグラウンド練習をスタートさせた。3日のオープン戦では北翔大学に4―6で敗れるも、実戦感覚を取り戻しつつある。
社新吾監督は4年ぶりとなるクラブ選手権道予選優勝を最大の目標に掲げる。投手陣は宮脇弘一、太田裕也、野澤悠真の3本柱。得点力向上に向けた戦力補強も行っており、昨年のシーズン途中から加入したプロ野球元楽天の伊東亮大をクリーンアップに置くほか、ショートの金子大象といった新たな起爆剤の登場にも期待している。これまでチームをけん引してきたベテラン勢とのバランスもいい。
新キャプテンに就任した藤元康平は「組織力は他チームより上回っている。都市対抗までの約1カ月半でチームの課題を一つ一つつぶしたい」と話した。
第93回都市対抗野球北海道地区予選は5月20日からスタートする。全日本クラブ野球選手権北海道地区予選は7月2日の開幕。今季はウイン北広島、TRANSYSのほか、成長著しい小樽協会、補強で力をつけた札幌ホーネッツなどが上位に絡みそうで、混戦の様相だ。