厚真町は4日、京都市出身の岡村充泰さん(58)を地域活性化起業人として任命した。宮坂尚市朗町長から委嘱状の交付を受け、「町の課題や資源をわれわれが持っているリソース(人材や資源)と掛けて、(都市部から)地方に人が流入する仕事や仕掛けをつくり、地方から盛り上げたい」と抱負を語った。
岡村さんは総合商社の社長として、人の個性や多様性を生かし、地域に新たな仕事をつくり出す取り組みを展開する。新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークやリモートワークなど働き方が変化していく状況も踏まえ、町外から新たな価値を見いだす人材を呼び込み、地域と結び付けるパイプ役を担うという。
「厚真町から新たな価値やモデルを見いだしていければ。同じ方向性の人を結び付けて展開していきたい」と意気込む。
委嘱期間は来年3月末までだが、最長で3年まで延長可能。宮坂町長は「受け皿をしっかりとつくることで、人の流れが変わる可能性があると思う。いろんな芽を出していただけたら」と期待を寄せた。
むかわ町は4日、パートナーシップ協定を結ぶレッドホースコーポレーション(本社東京)から米川健太さん(24)を迎え、地域活性化起業人に任命した。ふるさと納税事業の委託を受け、返礼品の強化などを手掛ける。米川さんは「むかわ町の周知、発展につなげていきたい」と意気込みを語った。
米川さんは千葉県出身。2020年に北海道に赴任し、西胆振などで活動してきた。むかわ町では、ふるさと納税の寄付増額に向けた広報戦略や新商品の開発などを担当する。ふるさと納税の目標寄付額に1億円を掲げ、「むかわ町はお米やメロンなど(自慢できる)農作物が豊富。新たな返礼品をつくっていきたい」と言い、「インターネットサイトなどを通してむかわ町の良さが分かるようにし、名前のPR、寄付額の向上にもつながれば」と構想を語った。
町は、胆振東部地震からの創造的復興に向けたレジリエンス(復元力)の強化などを目指し、民間企業との官民連携による活動を推進している。同社とは昨年12月にパートナーシップ協定を締結しており、同制度を活用した人材の招聘(しょうへい)は、今回が初めてとなる。竹中喜之町長は「むかわ町の生かし切れていない部分の充実、強化をしてほしい。新しい風を吹かせてくれることを期待している」と背中を押した。
また、同社は今秋、働く人を受け入れる道内5カ所目の宿泊施設の建設を町内で予定している。