むかわ町の合併15周年を記念して造られた地酒「鵡川」の完成お披露目会が27日、胆振東部地震で被災した中心街にある空き店舗を改修した町松風のチャレンジショップ(旧ニッタ洋品店)で開かれた。鵡川、穂別両地区で生産し、町民が普段から口にしている主要の米「ななつぼし」を使用した純米吟醸酒。関係者は、合併記念の日本酒が町民のつながりを深める一つのきっかけになることを期待する。
地酒造りに携わったのは、町内で1次産業を営む有志6人でつくる「清流とお米でつなぐ共同プロジェクト実行委員会」。「川の恵みの恩恵を受けている」ことにちなんで町の1級河川でもある清流「鵡川」の名を用い、ラベルにはまちの歴史を感じさせる恐竜、アンモナイト、シシャモをデザインした。味わいは口に含んだ時にフルーティーな香りと甘味をほんのりと感じさせつつ、時間がたつとともにキリっとさせる辛口が特徴。秋田県横手市の酒蔵「大納川(だいながわ)」が製造を手掛けた。
同日、完成に合わせてお披露目のセレモニーが行われ、同実行委の小坂幸司会長は「この日本酒が話題になることで各団体の活動が活発になり、結果としてむかわ町、北海道の発展に寄与することを期待している」とあいさつ。
来賓の竹中喜之町長は「震災にもコロナにも負けない元気な町に踏み出していく、きっかけづくりとなるお酒。新しいつながりの物語を育んでいければ」と期待し、胆振総合振興局の谷内浩史局長は「町民はもちろん、道内、道外、世界からも広く愛される地酒になり、むかわ町に多くの方を呼び込む一つのきっかけになると思う」と激励の言葉を述べた。
一般販売は4月下旬から予定しており、720ミリリットル税込み1760円、1・8リットル同3520円で取り扱う。