駒大苫小牧高校女子野球部が、26日に埼玉県加須市で開幕する第23回全国高校女子硬式野球選抜大会に出場する。初戦は、トーナメント2回戦で福井工大福井(福井県)と顔合わせ。新型コロナウイルスや度重なる大雪の苦境をはねのけ、前回大会のベスト16越え、さらには悲願の日本一に向け着々と準備を進めている。
全国高校女子硬式野球連盟、加須市が主催する2年生以下の一戦。単独、合同38チームがエントリーし、4月3日を最終日とする競技6日間にわたって熱戦を繰り広げる。決勝は東京ドーム=東京都文京区=で開催。32チームが参加した前回大会は開志学園(新潟県)が優勝。2020年4月に創部し、全国デビュー戦だった駒大苫は3回戦敗退だった。
どんな苦難も一丸となって乗り越え、強く、たくましく成長した。日本一への思いを込め1月11日に22年の初練習を開始した駒大苫だったが、その後は新型コロナの感染再拡大による部活動自粛、例年にない大雪でグラウンド上での練習も幾度となく阻まれた。「正直不安だった」と藤井華子主将(2年)は言う。
練習試合は今月中旬に札幌ドームで行った札幌新陽戦のみだったが、そこで「野球の楽しさを再認識できた」(主将)のは大きかった。先発投手の柴田涼(2年)は4回を投げ無安打無失点。これまで制球難から自滅する形が多かったが、「1球ごとに修正できるようになった」と手応えを口にする。
実戦的な練習が積めなかった半面、走り込みなど体力強化に励むことができたのは光明。茶木圭介監督は「選手間で自主トレーニングのメニューを考えるなど、厳しい環境下でも大会に向けて意識高く過ごしてくれた」と目を細める。集大成のシーズンを迎えた2年生を中心に「ぴりぴりとしたいい雰囲気がつくれている」と言う。
チームは22日に大会開催地の埼玉県入り。勝ち上がれば準々決勝で対戦の可能性がある秀明八千代(千葉県)など数校と練習試合を行い、本番に備える。福井工大福井とは昨年3月の選抜大会前に行った練習試合で対戦し勝利。藤井主将は「走塁やバントで揺さぶる、自分たちと似た泥臭いチーム。試合中の盛り上がり方を意識しながら相手の上をいくプレーがしたい」と意気込む。柴田は「先発したら、自分が最終回まで投げ切るつもりで向かっていきたい」と力強く語った。