白老港に6月、大型クルーズ客船が相次いで寄港する予定だ。2日に日本クルーズ客船(大阪市)の「ぱしふぃっく びいなす」(2万6594トン、乗客定員620人)、12日には商船三井客船(東京都)の「にっぽん丸」(2万2772トン、532人)が同港第3商港区に停泊する。両船の寄港は昨年6月も計画されたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっただけに、関係者は「何とか感染流行が落ち着いて実現してほしい」と願う。
「ぱしふぃっく びいなす」は、横浜港発着で5月31日~6月9日を日程とした「初夏の日本一周クルーズ」の北海道の寄港先として白老港に入る。午前7時半に入港し、午後6時半に出港予定。停泊中に下船した乗客は、オプショナルツアーで白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)や、千歳市の支笏湖などを見学する。
一方、「にっぽん丸」は、新潟港発着で6月11~14日を日程とした「初夏の北海道クルーズ~白老・釧路~」のツアーで白老港に寄港する。船は正午に港へ入り、午後6時に出港して釧路へ向かう。白老に下船した乗客はウポポイを見学し、アイヌ文化に触れる。船内では地元特産品「白老牛」の料理を堪能する。
「ぱしふぃっく びいなす」の寄港が実現すれば、2017年以来2回目となり、「にっぽん丸」は初めて。町の担当者は「新型コロナの状況次第ではあるが、停泊場所に物販ブースを設けたり、吹奏楽演奏やアイヌ民族の古式舞踊を披露したりするなど歓迎セレモニーを検討したい」と言う。
両船の寄港計画について町は、長年にわたる誘致活動の成果と捉えており、「多くの人の注目を集める大型クルーズ客船の入港が白老のPRと港の利用促進につながれば」と期待し、「引き続きポートセールスに力を入れていきたい」としている。