白老町議会定例会3月会議は9日、各会派の代表質問を行った。この中で、NPO法人が管理運営する文化施設・しらおい創造空間「蔵」(本町1)について町は、歴史ある石倉施設を将来にわたり保存活用するため、公共施設化を図りたい考えを示した。前田博之氏(きずな)への答弁。
「蔵」の建物は、大正時代に酒蔵として建てられた。白老に残る歴史的建造物を芸術文化の創造や発信の場にしようと、有志が立ち上がり、その際、町も協力。町が石倉を民間所有者から取得して改修し、町民でつくる文化団体に無償で貸与。2000年11月、しらおい創造空間「蔵」の名でオープンし、現在、施設と同じ名前のNPO法人しらおい創造空間「蔵」(毛笠史寛会長)が自主的な管理運営に当たり、音楽や演劇といった鑑賞イベントなどの場として活用している。
しかし、施設の老朽化に加え、18年9月の胆振東部地震で外壁に亀裂も発生。多額な費用を必要とする改修に迫られていることもあって、町は「蔵」を公共施設として行政で管理し、運営を従来通り民間に任せる方向で、NPO法人側と協議を進めている。
前田氏の質問に対し、戸田安彦町長は「適切な管理とさらなる活用を図るためにも、現在の普通財産から行政財産への移行を含めて法人側と議論を積み重ねている」と説明し、「蔵」の公共施設化を図りたい考えを示した。町教育委員会の池田誠生涯学習課長も「(公共施設化の)時期や施設運営の在り方などを法人側と話し合っていきたい」と述べた。
続く代表質問で、氏家裕治氏(公明)が新型コロナウイルスのワクチン接種に関して質問。町は「今月31日までに対象者の96%が追加接種を終えられるよう、接種枠を確保した。28日から5~11歳以下への接種を開始するため、接種券の発送も終えた」と説明した。
森哲也氏(共産)は、障害者への支援について質問。町は「日常の生活圏拡大と社会参加を促すため、福祉有償運送と連携した移動支援の強化に取り組みたい」と述べた。