道内農業の振興などに多大な功績を挙げたとして2日、胆振東部の厚真、むかわの両町で2021年度北海道産業貢献賞(農業関係功労者)などの贈呈式が行われた。胆振総合振興局の谷内浩史局長がそれぞれの町役場を訪れ、表彰状を贈った。
厚真町では、日西善博さん(69)が道産業貢献賞を受賞し、花き・稲作の斉藤仁さん(45)が道農業士認定者の称号を受けた。
日西さんは03年以来、いぶり農業共済組合理事、組合長として畑作物共済危機段階別共済掛金率を取り入れるなど補償機能の充実に尽力。17年3月の道南、日胆を主とする5農業共済組合の合併に寄与するとともに、合併後は副組合長理事として広域組合の効率的な執行体制を構築した。胆振東部地震の際には共済金の早期支払いに尽力するなど地域農業の振興、復興に貢献してきた。
一方の斉藤さんは、とまこまい広域農協の青年部厚真支部長などを歴任し、若手農業者のリーダーとして経営能力の向上、異業種との交流に貢献。厚真町花卉(かき)部会理事として「あつまの花」の品質向上、販売強化を手掛けるほか、軽舞農事組合長、町の農業委員として農地の利用調整、適正利用にも取り組んでいる。
日西さんは「こんな賞を頂けるとは思っていなかったので感激している。ひとえに皆さんのご指導のおかげ」とし、「胆振東部地震で被災した厚真町では、山関係の被害が未知数。微力ながら力になれたら」と抱負を語った。斉藤さんは「先輩方の背中を見て学んできた。次世代の若い方、新規就農者に少しでもノウハウを伝えていけるように頑張っていきたい」と話していた。
むかわ町では、町農業委員会の会長などとして活躍してきた中島勝美さん(67)=米原=が道産業貢献賞に輝いた。
中島さんは02年から農業委員会の農業委員、会長職を通じて担い手が有する農地などの利用集積・集約化、遊休農地の発生防止、解消に努めるとともに、新規就農者の受け入れ体制強化を図るなど、農地の適正化と農業の発展に尽力した。今回の表彰に「先輩方のご指導によるものと考えている。今後も町の農業振興に改めて力を入れていきたい」と気持ちを新たにしていた。
また、道指導農業士として長年にわたり、就農希望者の受け入れや施設園芸の振興などで地域農業に貢献した中奥三徳さん(65)=二宮=に知事感謝状が贈呈された。中奥さんは「担い手センターを立ち上げたことで、新規就農者が増えてきた。今後も後継者育成に役立ちたい」と意気込みを語った。
このほか、加藤啓介さん(36)=有明=、森本和明さん(37)=穂別仁和=、紀藤康宏さん(37)=穂別=、清川伊代さん(40)=穂別平丘=の4人が道農業士の称号を受けた。
道内農業士は1896人が認定され、胆振管内では89人となった。