むかわ町は、2018年9月に発生した胆振東部地震で大きな被害を受けた鵡川、穂別両地区ににぎわいなどを取り戻す取り組みを示す「まちなか再生基本計画」の案をまとめた。町の復興計画(19―25年度)で位置付ける「復興・創成期」と、昨年策定した第2次まちづくり計画(21―30年度)で重点プロジェクト推進期間とする前期5年間に合わせ、期間を25年度までと設定。新年度からの計画始動に向けて、3月中にも成案化する考えだ。
震災以降、町内の鵡川、穂別両地区では、被災したまちなかでのにぎわいやなりわいの創出、コミュニティーの再生などを加速させることが課題となっている。
解決に向けて定めるまちなか再生基本計画は、昨年策定した「まちなか再生基本構想」の具現化に向けて行った調査、研究、実証実験などの結果を踏まえ、22年度から25年度までの具体的な取り組みを整理したもの。22日に開かれた町議会胆振東部地震復旧復興特別委員会で提示した。
基本計画の柱は▽多層的な拠点づくりと好循環の創出▽空き地・空き店舗の活用によるにぎわいの創出▽住民主体による地域運営と交流・生活拠点整備▽地元資源を生かしたまちづくり▽両地区をつなぐ取り組みの充実・強化―の5本。
主な取り組みとして、鵡川地区では複数施設を拠点として人々の回遊性を向上させるなどで、まち全体の一体的な活性化を図ることを挙げた。その中で、関係人口・交流人口の新たな拠点として道の駅を位置付けた。さらに被災した空き店舗を利用し、起業者向けのチャレンジショップスペースや町のPRブースを開設することや、空き地を活用してにぎわいづくりイベントを開いたりモバイルハウスを活用する取り組みをすることなどを示している。
穂別地区では、ビジネスを複合化させて地域運営を進めることや、農家の協力で野菜を直売するなど、まちなかに整備したサテライトオフィスをコミュニティースペースに活用することを提示。高齢者など買い物弱者への対応、恐竜化石資源を生かしたまちなかの再生・活性化も盛り込んだ。
また、両地区をつなぐ「地域公共交通計画」を策定し、町民ニーズに応じた公共交通ネットワークの構築も進める。
成案化に向け、町は3月中旬まで、町ホームページや役場庁舎内で計画案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施。寄せられた意見を計画に反映させる。