むかわ町は25日、2022年度当初予算案を発表した。任期満了に伴う町長選を3月に控えているため、継続事業が中心の骨格予算編成。一般会計は21年度当初予算を8%下回る83億600万円。主な事業では、胆振東部地震からの復興を具現化させていくため、外部から震災復興アドバイザーを迎え入れるほか、継続事業としてししゃもふ化場施設の整備などを盛り込んだ。町は3月7日から始まる町議会定例会に各会計予算案を提出する。
特別会計、企業会計などを含む総額は21年度比で7・1%減の124億9200万円。一般会計の歳入では町税が個人所得や法人業績の上昇により全体で1・8%増の10億7100万円、地方交付税は6・3%増の42億円、国・道支出金は苫小牧森林組合製材工場整備間接補助の終了や投資的事業の保留により32%減の10億800万円と試算した。
歳出は穂別地区認定こども園の民営化による支援費、国保直診勘定繰出金の増加により、民生費1・4%増の14億6800万円。総務費は、震災復興アドバイザー、地域活性化起業人の活用、新型コロナウイルス感染症対応事業などを掲げる一方で、地域情報端末整備、アプリ導入の完了により13・4%減の8億5400万円。衛生費はワクチン接種事業費の減少により7・7%減の3億1500万円とした。
主な事業では、まちづくりを推進する新規事業として、外部から震災復興アドバイザーを迎えて助言を受けるほか、タウンプロモーションを手掛ける地域活性化起業人制度を活用。草地や暗きょ排水の整備など畜産担い手育成総合整備事業にも乗り出す。
外構工事を含め、21年度から3カ年で整備するししゃもふ化場には2年目となる22年度も7億2000万円と大幅な予算を計上。工期は3カ年としているが、予定では今秋の供用開始を目指しているという。高校魅力化推進事業では、首都圏に住む高校生の短期留学を受け入れる「地域みらい留学365」などの経費を盛り込んだ。
渋谷昌彦副町長は「コロナで遅れてはいるが、震災から3年が過ぎ、復興計画(19~25年度)の折り返しとなる22年度は復興を加速させていく年度になる」と強調した。