白老町は、産業振興基金の創設を計画している。従来の農業、水産業、商工業の3振興基金を統合し、積み立てた自主財源を産業活性化のために幅広く使えるようにする。3月の町議会定例会に新基金の条例案を提出し、新年度からの運用を目指す。
町の農業振興基金は1981年、商工業振興基金は84年、水産業振興基金は89年に設置。企業や団体、個人からの指定寄付などを各基金に積み立て、各産業に特化した事業に活用してきた。近年では白老牛ブランド強化事業や、駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)でのイベント開催などの財源に利用した。
こうした中で町は、各基金に分散する自主財源を集中させ、産業全般に効率的に使えるようにするために3基金の統合を計画。多様化する産業経済の課題やニーズに対し、効果的に財源充当できる新たな基金をつくることを決めた。
町は産業振興基金条例を整備し、町議会定例会3月会議に提案。議決を経て4月から運用する方針だ。3基金を合わせた残高約1300万円は新基金に移行させる。町企画財政課の担当者は「町独自の貴重な自主財源を地域の産業活性化のために有効利用していきたい」と言う。