登別市は9日、2022年度の各会計予算案を発表した。一般会計は21年度当初予算比で8億4000万円増(3・9%増)の225億7200万円を計上。26年度に供用開始を予定する新しい市役所本庁舎や、JR登別駅前のにぎわいを創出する情報発信拠点施設など大型施設の建設事業費を盛り込み、小笠原春一市長は「新たな時代に向けた積極的な投資を進めたい」と意欲を示した。
一般、特別、公営企業の各会計を合わせた予算総額は397億7230万円とし、21年度当初予算比で14億3910万円増(3・8%増)。介護保険特別会計を除く一般、国民健康保健、水道事業、下水道事業の各会計予算の伸びが総額を押し上げた。また、市税や地方交付税などの収入増を見込み、財政調整基金を取り崩さずに収支バランスを取る均衡予算を2年連続で編成した。
一般会計では、市役所本庁舎、情報発信拠点施設、消防本部庁舎の大型公共施設の建設事業費を目玉事業として計上。老朽化する市役所本庁舎は津波浸水予測区域外にある陸上競技場に移転し、延べ床面積6813平方メートル(行政事務部分)の施設を建設する予定。災害対応拠点としての機能を備えるほか、中央子育て支援センターや教育委員会を新庁舎に集約させる。22年度予算には基本設計などの費用1億2886万円を計上し、26年度開設を目指した建設事業を本格化させる。
登別の主力産業・観光の振興を図る情報発信拠点施設は22年度に建設工事を進め、その費用として6億1245万円を盛り込んだ。JR登別駅の隣接地に整備する複合施設は2階建て(延べ床面積1440平方メートル)とし、1階にアイヌ文化発信や特産品PRの機能を備えた観光案内所、市役所支所、交流・休憩スペース、飲食テナントを配置。2階には住民がサークル活動などで利用できる目的室や調理室、キッズコーナーを設け、今年秋の完成を目指す。
また、25年度の供用開始を予定する消防本部新庁舎の建設事業も本格的に進め、事業費1億7641万円を計上した。
子育て支援にも力を入れる方針で、認定こども園の整備や子ども見守り強化事業の費用も新規に盛った。また、人口減少時代を意識し、仕事と休暇を組み合わせたワーケーションを促し、移住につなげるための事業費も予算に組み込んだ。記者会見で小笠原市長は「堅実な財政運営を目指しつつ前向きな予算を編成できた」と述べた。
市は16日開会の市議会定例会に新年度予算案を提出する。
■22年度予算案に計上した主な事業
▽市役所本庁舎建設事業 1億2886万円
▽消防本部新庁舎建設事業 1億7641万円
▽情報発信拠点施設整備 6億1245万円
▽市営千代の台団地建て替え 4億6696万円
▽最終処分場整備事業 2156万円
▽登別駅前広場整備事業 306万円
▽クリンクルセンター中間改修事業 2億5864万円
▽子ども見守り強化事業 72万円
▽ワーケーション移住促進事業 350万円
▽空き家対策事業 735万円
▽証明書交付手数料キャッシュレス決済事業 61万円