アイヌ民族が狩猟の際に履いたサケ皮の靴「チェプケリ」作りを体験する行事が1月29、30日に白老町のしらおいイオル事務所チキサニで開かれた。町民ら8人が参加し、靴作りを通じてアイヌの昔の暮らしに思いをはせた。
一般社団法人白老モシリがイオル(伝統的生活空間)体験交流事業として初めて企画した催し。同団体の会員次田雅基さん(68)が講師を務めた。
材料は昨年11月、今回の参加者がチキサニで自らサケを解体し、天日干した皮を使用。靴作りの一連を体験してもらうのが狙いだ。
参加者は、乾燥させた皮に水を掛けて軟らかくした後、自身の足の大きさに合わせて切断。靴の形に整えて、麻のひもで縫う作業に臨んだ。材料は1足にサケ2匹分の皮を使った。
チェプケリは、アイヌ民族が冬場の山猟の際などに履いた。靴の中に干し草を詰めて、保温性を高めたという。
次田さんの指導を受けながら製作に取り組んだ町北吉原の女性(66)は「文様刺しゅうなどに挑戦したことはありますが、サケ皮の靴作りは初めて」とし、「皮を干す工程から体験したことで、アイヌ民族の昔の生活により理解が深まりました」と話した。