白老東高校(高野隆広校長)の3年生22人が地域のアイヌ文化や商店街について学び、発信する授業「地域学」の成果を25日、同校で発表した。地元経済・商業の関係団体代表らを招いた会場で、生徒は制作したアイヌ文化や大町商店街のPR動画を披露し、白老の魅力をアピールした。
同校は、歴史的にアイヌ民族と深い関わりがある白老の高校として、アイヌ文化について学ぶ授業「地域学」を2018年度から取り入れている。地域学は3年生の選択科目で、これまでにアイヌ語学習や伝統工芸品の製作体験、狩猟時の仮小屋(クチャ)作りなど昔の暮らしを学ぶ野外学習、民族共生象徴空間(ウポポイ)PR動画の作製などを行った。
今年度は、道教育委員会の「北海道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)」指定校(21~23年度)となり、それに基づいた「地域学」を展開。地元関係者の協力を得て、アイヌ文化や大町商店街を紹介する動画の制作に当たった。
発表会で生徒らは、アイヌ民族の儀礼や食文化、狩猟採集・漁労など伝統的な営みについて学習し、取りまとめた映像を披露。続いて大町商店街で営業する飲食店や宿泊施設、カメラ店、家具店などを取材し、撮影したPR動画を上映した。
発表会には、大町商店街の各店で構成する白老商業振興会や白老町商工会の代表者らが参加。同振興会の村上英明理事長は講評で「工夫を凝らした素晴らしい動画に仕上がっている」とたたえた。
制作に取り組んだ大島のあんさん(18)と牧野あおいさん(18)は「白老にはたくさんの魅力がある。そのことを多くの人に伝えていきたい」と話した。