白老町は26日、町立国保病院の改築事業を担う特定建設工事共同企業体(JV)と基本協定を締結した。地元企業を含む4社のJVは近く基本設計に着手するなど、事業を本格化させる。新病院は町日の出町3の現地に建設し、2023年度に施工、24年5月のオープンを目指す。
設計・施工を請け負うJVは、大手建設業フジタ(東京)を中心に久米設計(同)、岩倉建設(札幌)、岩崎組(白老)で構成。町の選考委員会が16日、7事業者・共同企業体から新病院建設の技術提案を受け、審査の結果、フジタなど4社JVを選定した。
事業着手を前に町とJVが締結した基本協定は、建設工事に関する町側の要求水準の順守や、技術提案の具体化を確認し合う内容。町役場で行われた締結式で、戸田安彦町長とJV代表の有賀守哉フジタ北海道支店長が協定書に署名した。
長年の懸案となっていた病院改築事業がいよいよ始まることを受け、戸田町長は「町民の命と健康を守る新しい施設造りに尽力していただければ」とし、有賀支店長は「町民の期待の大きさに身が引き締まる思い。町民の方々に喜んでいただけるよう事業に努めたい」と述べた。
JV側が提案した新病院は、鉄筋コンクリート造り4階建てで延べ床面積約4300平方メートル。1階部分は高さ4メートル超の吹き抜け空間とし、津波が襲来しても建物への被害を軽減させる構造とした。2階部分に主玄関や外来診察室、3階には40床の病室と医療・介護福祉サービス提供の介護医療院、4階には機械室を設ける。診療科目は「内科」「整形外科(外科)」「小児科」を基本とする。
また、高さ8メートルの3階屋上は津波の緊急避難場所として災害時に活用。建物は、現病院の敷地の南側に建設するとした。
JVは2月にも提案内容をベースにした基本設計に着手。22年度に実施設計や地盤調査を進め、23年度に着工、完成させる。建設事業費について町は26億円超と見積もり、医療機器購入費などを含めた総事業費は約32億円と想定している。