ゆうちょ銀行の職員による金融教室が24日、白老東高校で開かれ、3年生が資産形成の投資信託などについて学んだ。
講師を務めたのは、ゆうちょ銀行道南パートナーセンター(函館市)の各務(かがみ)健一さん。2クラスの生徒64人が出前授業を受けた。
各務さんはまず、貨幣の役割について「物やサービスと交換する道具」と説明した後、ためる、運用する、借りる―の三つのテーマで授業を進めた。貯金に関しては「今の利子は0・002%程度。金融機関に預けたお金が利息によって2倍になるまでに3万6000年もかかる」と低金利の現状について話し、「お金を増やす手段として投資信託などさまざまな金融商品がある」と述べた。
投資家から預かった金銭を専門家が株や債権などに投資し、利益を還元する投資信託の仕組みについて話し、「損失が出るリスクはあるものの、貯金より多くの利益が得られる可能性があるのが投資」と説明。金融商品を選ぶ際は、自分のリスクの許容度を把握することが大事とした。
また、借りる―に関しては「クレジットカードの使用も借金と同じであり、しっかりと考えながら使うことが大切。違法な高金利の闇金融には気を付けて」と生徒らに呼び掛けた。
2022年度からの高校の新学習指導要領には、家庭科の一環として、株式投資や投資信託など資産形成に関する授業を行うことが盛り込まれた。これを前に全国銀行協会と日本証券業協会は、高校に講師を派遣するなど、連携して金融教育に当たることを取り決めている。