白老町の2021年末の人口は1万6050人となり、年末時点の人口が30年以上にわたり減少を続けている。少子化や若い世代の流出などを背景に人口減に歯止めがかからず、12年以降の10年間に限って見ても3000人以上も少なくなった。年内には1万6000人を割る見通しで、人口減に対応した持続可能なまちづくりの施策が急がれる。
住民基本台帳に基づく21年12月末人口は前年同月比で303人減。内訳は男性7611人、女性8439人で、前年に比べ男性160人、女性143人それぞれ減った。
年齢別では、15歳未満の「年少人口」が1052人(前年同月比61人減)、15~64歳の「生産年齢人口」が7542人(同230人減)、65歳以上の「老年人口」は7456人(同12人減)。世帯数は9349世帯となり、前年より35世帯少なくなった。
同町の人口は高度経済成長の波に乗って1985年に2万4353人に達した後、減少に転じた。2009年には2万人を割り込み、その後も加速度的に減り続けている。
高齢化の進展で「老年人口」だけは伸び続けていたものの、19年以降、マイナス傾向にある。少子化や転出増を背景とした「年少人口」や「生産年齢人口」の減少に加えて今後、死亡数が出生数を上回る自然減の進行で「老年人口」も減り続ける見通しだ。
白老町の人口について国立社会保障・人口問題研究所は、13年後の35年から40年にかけて1万人を割り、45年には7770人になると推計する。対策を講じなければ、60年には4258人と、現在の4分の1程度の人口規模に縮小すると予測している。
まちの衰退を招きかねない人口減の抑制は、白老町にとって最重要課題。町は第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略(20~24年度)に人口減対策の「まちのファンづくり」「若者定着」の2プロジェクトを盛り込み、移住・定住や地域活性化を促す施策の方向性を明示した。子育て支援の充実といった事業の展開で、同戦略最終年の24年の人口を1万4800人以上に維持する目標を掲げた。
また、町が策定作業に取り組んでいる第2次都市計画マスタープラン(22~41年度)の素案では、人口減の進展を踏まえ、コンパクトな市街地形成を目指す方針を示している。町議会も危機感を抱き、対策を考える政策研究会を立ち上げて議論を進めている。