厚真町出身のシンガー・ソングライター、小寺聖夏さんが15日に町総合福祉センターで凱旋(がいせん)コンサート(午後6時開場、同6時30分開演)を開く。町内での単独コンサートは2016年以来2回目。20年に活動拠点を道内に移してからは初の大舞台となる。「音楽を通してみんながハッピーになれるようにしたい」と、生まれ育った故郷でのステージを心待ちにする。
3歳から民謡、5歳から三味線とピアノを習い、7歳で日本郷土民謡協会全国大会でグランプリを受賞。海外でも幼少から三味線や民謡を披露するなど、大きな舞台で経験と実績を積んだ。町で開かれるイベントにも出演してきたが、「厚真と東京とでライブをする感覚は違う」と語る。なぜなら小寺さんにとって町民は、いつも応援してくれる身近な存在。「ファンに向けてやっている感じではない。スターというより近所の子として見てくれるので、いい意味で違う緊張感がある」と言う。
胆振東部地震から1年がたった19年には、復興ソング「羽」を作曲し、自らの声で思いを届けてきた。その後、新型コロナウイルスの感染がまん延してからは配信を通して歌声を披露し、20年に拠点をエゾンミュージック(札幌市)に移した。その最初のステージは「絶対に厚真でやると決めていた。一番聴いてほしい人たちが厚真にはいるから」。
自身も今回のコンサートを「新たなスタート」と位置付ける。「震災にコロナと、お互いに励まし合っていかないといけない時期に、触れ合うことができないつらさが続いた」と話し、町民に勇気と元気を届けるステージにしたいと望む。「音楽を通じて、少しでも楽しいことや前向きになれることがあったら。歌うことでみんなが笑顔になれるようにできたらいいな」とはにかむ。
コンサートには、国内外で活躍する和楽器ユニット「和心ブラザーズ」、地元の和太鼓「厚真郷芸保存会」がゲスト出演する。チケットは高校生以上が前売り1500円(当日2000円)、中学生以下は無料。町の観光協会や商工会、スナック愛結(ジョイント)で販売している。