プロ野球の北海道日本ハムファイターズの投手、伊藤大海(駒大苫小牧高、苫小牧駒沢大=現北洋大=出)はルーキーイヤーとなった2021年、10勝を挙げる活躍でパ・リーグ新人特別賞を受賞した。東京五輪にも出場、金メダル獲得に貢献した。駆け抜けるように過ぎていったプロ1年目のシーズンの総括と来季に向けた抱負を聞いた。全2回。
―21年を振り返っての感想を。
「右も左も分からない状態でスタートしたので一日一日が新鮮だった。野球の楽しさだけでなく、プロ野球ならではの難しさや苦労もあったが、1年目にいろんな経験ができた」
―プロ初登板となった3月31日の西武ライオンズ戦は6回を投げて102球、8奪三振の内容でした。
「オープン戦で抑えられなかったので不安はあった。いい緊張感の中で自分の持ち味を出して役割を果たせたことはよかった」
―登板5試合目でようやく初勝利の心境は。
「特別な1勝でものすごくうれしかった。自分の中でも流れに乗っていくことができたので大きな1勝だった」
―駒大苫の後輩の若林楽人(西武)との対戦を振り返って。
「高校時代、紅白戦でも対戦した記憶はなかったので新鮮だった。初対戦で打たれたのは悔しかったけど、大学でレベルを上げてきたと感じた。あのまま出場が続いていけば新人賞もあったんじゃないかという勢いがあった。今後の対戦も楽しみ」
―5月28日から6連勝を挙げた要因は。
「2段モーションにフォームを変更したことがうまくはまった。それまでは初回から思い切った投球をしていたが、ペース配分もできるようになったことも大きかった」
―東京五輪では3試合に登板、金メダル獲得に貢献した。
「日本開催で金メダルへのプレッシャーはあったが、腹をくくってやるしかないと思ってプレーした。自分の最大限のパフォーマンスを発揮できたことはいいアピールにもなったと思う」
【プロフィル】
伊藤大海(いとう・ひろみ) 1997年、渡島管内鹿部町出身。身長176センチ、体重82キロ。右投げ左打ち。駒大苫小牧高時代は2013年秋の全道大会で優勝、14年春の選抜甲子園に出場した。苫小牧駒沢大ではエースとして活躍し、チームを20年の道学生野球秋季1部リーグ制覇に導いた。同年のプロ野球ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに1位指名を受けて入団。21年は10勝9敗、防御率2.90をマークした。